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水害にあってしまったら。何からはじめたらよいのか分かりますか?
まずは、この度の台風19号での被災にあわれた方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。
香川県も過去の台風では同様に被害にあわれた方もいらっしゃいます。今後も環境の変化、台風の進路次第ではいつ被災するかわかりません。住宅を創る会社として、少しでも何かの参考になることがあればと思い、水害にあったときにどうすればよいのかをまとめました。
私達が生活するこの日本列島は地球上の2%の国土ですが世界の災害の20%が発生している国土だそうです。過去の水害で被災した方々の経験から、水害にあった方がしなくてはならないことがまとまった生活再建の手引きが震災がつなぐ全国ネットワークから作成されています。
その中から、住まいに関することを中心に抜粋してまず必要なことをお伝えできればと思います。
まずは落ちついて生活再建までの見通しをたてる
過去の水害では被害の軽い方で1か月、長い方では1年以上かかった場合もありました。避難所や仮住まいを状況に合わせて選択し、生活を支えてくれるボランティアセンターや話を聞いてくれる方に助けを求めながら、心や体の回復に努めましょう。
被災の規模が大きい場合は近くの施工業者に修理の注文が殺到し、時間がかかります。しかし、一方では多くの方の被災により災害救助法が適用され、仮設住宅や各種の支援制度が準備されることが多いです。家に関しては、まず、土砂などを取り除き、家屋の床下部分を中心に可能な限り乾燥させます。(目安は最低1か月)床下や壁裏のカビや悪臭を防ぐためです。
必要な手続きをし、被災した時に受けられる支援制度を活用しましょう。
様々な公的支援を受けるために、罹災証明書という書類が必要になります。お住いの市町村から交付を受けるために、まずは申請をしましょう。また、自宅や車の保険や共済に加入の方は保険金請求も行います。その他、公共料金の支払い猶予や支払い減免、所得税の控除など詳しくは市町村の窓口や各相談窓口、また災害時には開かれることの多い説明会などを積極的に利用し、負担を少なくする方法を探します。
被害認定の目安
大きく分けて床下浸水と床上浸水に分かれます。
●床下浸水
一部損壊
●床上浸水(浸水の深さで被害認定が変わる)
半壊に至らない床上浸水
半壊
大規模半壊(床上1mまで)
全壊(1階の天井まで)
家屋のかたづけと掃除
修復までの一般的な手順とポイント
被害状況を写真に撮る…罹災証明書の発行や保険で必要
できるだけ家屋の外を色々な角度から、浸水した深さがわかるように撮ります。室内の被害状況もわかるように撮ります。市町村の罹災証明書を取得するときに役立ち、保険金の請求にも必要です。また、自動車、物置、納屋、農機具など屋外のものも撮っておきましょう。
システムキッチンや洗面台など屋内の住宅設備、濡れてしまった家電などの写真も撮っておきましょう。
被害状況を記録した後、ぬれてしまった家具や家電をかたづける。
住宅設備・家具のかたづけが難しい物の例と大事なことをピックアップさせていただきます。
・システムキッチン、洗面台…機能に問題なくても壁に接した裏側が乾きにくく、大量のカビの原因になる。
・トイレ、風呂…電気系統が濡れていなければ使える場合もある
・ふすま、障子…乾かすと桟や枠は使えることもある
・畳、じゅうたん、ふとん…水を吸うと使えない
・タンス・棚…木材を貼り合わせた合板・集成材のものは乾いても後からカビが生える。
・自動車・農機具…絶対にエンジンをかけず、修理工場に連絡。しばらく乗らない場合は盗難防止で車検証とナンバーを外しておく。
住宅の確認について大切なこと
住宅が一度でも浸水したら、床を上げて床下に水や泥が入り込んでいないか確認したほうが安心です。建築方法によっては専門的な技術が必要になります。水や泥がたまっている場合は、掃除をしないと後になってカビや悪臭が発生し、生活に支障が出ます。
浸水後の和室の片付けと洋室の片付けの方法
●和室
畳を上げ、畳の下の床板をバールなどで1枚はがす。
床板をはがす前に油性ペンで並び順の番号を書いておく。
床下に水や汚泥がたまっていないか確認する。
確認が終わったら、床板は元に戻すことができる。
特に無垢の床板は再利用できるのでていねいにはがす。
●洋室(フローリング)
通風口や床下収納の間口から床下をのぞきこんで、水や汚泥がたまっていないか確認する。
床下に水が入っていた場合、水を抜いてから泥を取り除きます。掃除した後は、床下に消毒剤をまきます。よく床下の消毒に使われる消毒剤は、消石灰・逆性石けん(オスバンS)です。
床、壁、天井には消毒用エタノール(80%溶液)をスプレーしそのまま乾燥させます。家具に使うときは目立たないところで色落ちしないか確認したほうが良いです。
壁も水を吸っていないか中を確認し、吸っている場合は放置せず、断熱材を取り出しましょう。床下の断熱材も同様です。
以上、とても簡単にではありますが、住宅に関わることを中心に、被災後の作業をまとめました。
一つ一つの片付けや作業には相当な時間と労力がかかります。困っている方の何かのお役に立て、行動のきっかけになればと思います。
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