こんにちは!
「中古リノベの舞台裏」シリーズ第4弾をお届けします!
今回は、リノベーションの工事の中でも重要な「床の調整」と「梁の補強」について、現場の様子を交えながら詳しくご紹介します。
見た目のデザインももちろん大切ですが、長く快適に、そして安心して暮らしていくためには、見えない部分の補修や補強が不可欠です。
こんにちは!
「中古リノベの舞台裏」シリーズ第4弾をお届けします!
今回は、リノベーションの工事の中でも重要な「床の調整」と「梁の補強」について、現場の様子を交えながら詳しくご紹介します。
見た目のデザインももちろん大切ですが、長く快適に、そして安心して暮らしていくためには、見えない部分の補修や補強が不可欠です。
「床が水平なのは当たり前」と思われるかもしれませんが、多くの中古住宅では、経年によって柱や梁、床に歪みが生じていることがほとんどです。
今回の現場も例外ではなく、これまで和室だった部分の床の一部が盛り上がっている状態でした。
数mm程度のわずかな膨らみであれば、フローリングなどを張る仕上げの段階で調整できますが、今回の現場ではその差が1cm以上ありました。
このまま仕上げ材を張ってしまうと、床が波打ってしまったり、家具がガタついたりする原因になるため、元々あった床を一度すべて剥がし、床を支える下地の部分から水平を調整する作業を行っています。
時間と手間はかかりますが、この地道な作業が、この先の何十年という暮らしの快適さを支える土台となります。

既存の床を剥がして、新しく床の下地を組んでいる様子
今回のリノベーションでは、これまで玄関だった場所をダイニングキッチンに変更し、リビングから続く開放的な空間にするために柱をいくつか抜いています。
しかし、今まで建物を支えていた柱を無計画に抜いてしまうと、当然ながら家の強度が落ちてしまいます。
そこで重要になるのが「梁(はり)の補強」です。
梁とは、柱と柱の間に渡されて、屋根や床などの重さを支える水平方向の部材のことです。建物の骨組みとして、非常に重要な役割を担っています。
柱を抜いた部分の梁が、もともと太くて頑丈なものであれば問題ない場合もあります。
しかし、今回の現場の梁は18cmほどのそれほど太くないものだったため、そのままでは強度に不安が残ります。
そのため、『既存の梁の下に新しい梁をもう一本追加し、2本の梁を一体化させることで強度を高める方法』で補強を行いました。

新しい梁を既存の梁と一体化するために下から止める長いビス。この太いビスでしっかりと固定される。
ポイント▶既存の梁と新しい梁を完全に一体化させること。
今回は、30cmほどの専用の長いビス(ネジ)を使い、下からがっちりと固定しています。
施工方法には、上からボルトで固定する方法などもありますが、今回は2階に床工事を行わない和室があるため、1階から作業が完結する方法を選びました。
様々な施工方法がありますが、混在すると手間も時間も余計にかかるため統一できるところはその物件ごとで統一させるように工事を進めています。
物件ごとの状況に合わせて最適な工法を選択することも、リノベーションの重要なポイントです。

柱を抜いた空間に新しい梁が下から追加された様子。
リノベーションの現場では、新築工事のようにクレーンなどの重機が使えないことが多く、部材の搬入や設置は人の力に頼ることになります。
今回補強した梁も、人の手で持ち上げて設置しました。
重い梁を少ない人数で持ち上げるためには、片方ずつ上げていくのですが、そうすると梁が斜めになり、柱にぶつかってうまく収まりません。
そこで、あらかじめ柱に当たる部分の梁を少しだけ斜めにカットしておく、といった工夫が必要になります。
こうした細やかな職人技の積み重ねが、リノベーションの品質を支えています。

既存の梁と柱にしっかりと固定された新しい梁。接触部分(赤い丸印の部分)に少しだけ斜めにカットされたところが見られる。
今回は、完成したらお客様の目に触れることのない「床の調整」と「梁の補強」という、非常に地味でありながらもとても重要な工事の裏側をご紹介しました。
魅力的なデザイン性の高い空間も、その土台となる構造部分がしっかりしていなければ、本当の意味で快適な住まいとは言えません。
中古リノベーションには、こうした見えない部分の重要性を理解し、丁寧な仕事を積み重ねていくことが何よりも大切です。
次回もどうぞお楽しみに!
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