ブログ
BLOG
【太陽光お悩み相談室 Vol.10】蓄電池選びで失敗しないポイント!編
家庭用蓄電池の導入を検討する方が増えています。「電気代が高騰しているから」「災害への備えとして安心だから」など、理由は様々でしょう。しかし、いざ製品を選ぼうとすると、「何を基準に選べばいいのか分からない」「選択肢が多すぎて迷ってしまう」という壁にぶつかる方も少なくありません。
今回は、高価な買い物である蓄電池を導入する際に、「何を基準に選べば失敗しないのか」、具体的な検討ポイントにフォーカスしていきます。
太陽光発電システムに関する疑問にお答えする、
「太陽光お悩み相談室!」
太陽光発電システムの販売施工を手掛けるフソウリブテックの担当者が、皆さまからの疑問に「忖度なく本気で正直に」お答えします。
質問にお答えしていくのは、フソウリブテックで太陽光発電システムを担当するこちらのお二人。
右:宇野 克哉 さん(マテリアルソリューション部)
左:成行 勇弥 さん(マテリアルソリューション部)
第10回目となる今回の質問は、
「もし蓄電池をつけるなら何を基準に選べばいいんですか?失敗しないためのポイントがあれば教えてください。」
この疑問に、太陽光発電のプロが本音でぶつかります!
1. 「なんとなく」は危険。まずは「夜間の電気使用量」を把握しよう
蓄電池選びで最もやってしまいがちな失敗が、「なんとなく」で容量を決めてしまうことです。営業担当者に勧められるがままに選んだり、感覚で「このくらいあれば十分だろう」と判断したりするのは非常に危険です。失敗しないための第一歩は、ご自身の家庭が実際にどれくらいの電力を消費しているのか、具体的なデータに基づいて把握することです。
成行:すでに太陽光発電システムを設置しているご家庭であれば、小売電気事業者から「30分データ」を取り寄せることができます。このデータを分析すれば、ご家庭が夜間に実際にどれだけの電気を使っているかを正確に把握できます。
30分ごとにどれだけ電気を使用したか詳細に記録される「30分データ」。このデータを分析すれば、ご家庭が夜間に実際どれだけの電気を使っているかを正確に把握できます。この客観的な数値こそが、最適な蓄電池容量を検討するための最も信頼できる基準となります。
成行:新築の場合は、実際のデータが無い状態です。一つの目安として、一般的な家庭で夜間に使われる電気の量は、大体10kWhから12kWhぐらいとされています。そちらを参考に、「蓄電池で夜間全ての電気を賄うのか?半分程度を賄うのか?」ご検討されると良いと思います。
今のお家に蓄電池を設置する場合は、現在の電気使用量データを。新築の場合は、一般的なデータを。基準となるデータを用意したうえで、客観的な判断を行うことが、蓄電池選びの第一歩となりそうです。
2. あなたの目的はどっち?「防災」か「電気代の節約」か
次に考えるべきは、「蓄電池を導入する最大の目的は何か?」ということです。この目的を明確にすることが、蓄電池選びの大きな分かれ道になります。大きく分けると、目的は【防災のため or 電気代の節約】の2つに集約されます。
宇野:もちろん両方の目的を兼ね備えることは可能ですが、「防災に振りたいのか、電気代の月々の出費に振りたいのか」で、選ぶべき製品の特性は大きく変わってきます。
成行:多くのメーカーは「災害時に何時間電気を使えるか」という具体的な目安を提示しているので、そちらも参考にしてください。
「防災」を最優先するなら、停電時にテレビや冷蔵庫、最低限の照明など、命を守るために必要な電力を長時間確保できる容量が求められます。各メーカーの災害時シミュレーションが役立つ場面です。単に容量の大きさだけでなく、「どの家電を、何時間使えるのか」という具体的な性能を確認することが重要になります。
一方、「電気代の節約」を重視するなら、太陽光で発電した電気を貯めて、電力会社から電気を買う夜間の使用量をどれだけカバーできるかが、費用対効果の鍵となります。先に算出した夜間の電力使用量を過不足なくまかなえる容量が、最も効率的な選択となるでしょう。
自分の最も大切な目的は何かを自問自答することで、無数にある製品の中から、あなたにとって本当に価値のあるモデルをぐっと絞り込むことができます。
3. 最も見落としがちな最重要ポイント:「設置場所」という視点
容量と目的が決まったら、最後にもう一つ。これは多くの人が見逃してしまいがちですが、後悔しないためには絶対に欠かせない、最も重要なポイント。それは「設置場所」です。
宇野:私は屋内設置ができる蓄電池を、かなりおススメしています。例えば、集中豪雨で水に浸かってしまい、電池が止まってしまった。その時停電が起これば、蓄電池をつけた意味が無いですよね。
現在、多くの家庭用蓄電池は屋外に設置されるのが一般的です。防災目的で高価な蓄電池を導入したにもかかわらず、屋外設置による浸水被害が発生すれば、導入した意味はゼロに。
このリスクを回避するための最も確実な解決策が、「屋内設置」です。2階建ての家であれば2階に、平屋であっても可能な限り高い場所に設置することがおススメです。
宇野:災害に備えるための設備(蓄電池)も、災害から守る安全な場所に置くことが必要だと思います。
この当たり前でありながら見落とされがちな考え方こそ、本当の意味での安心を手に入れるために不可欠なのです。
まとめ:「どれを選ぶか」の前に、「何が大事か」を考える。
後悔しない蓄電池選びの鍵は、決して複雑ではありません。以下の3つの視点で、ご自身の家庭の状況を整理することから始まります。
1. 実際のデータ(夜間の電気使用量)を把握する
2. 明確な目的(防災か節約か)を定める
3. 安全な設置場所(屋内)を確保する
価格やブランドだけで選ぶのではなく、この3つの本質的なポイントから考えていくことで、あなたの暮らしを長期的に支えてくれる、本当に価値のある一台が見つかるはずです。
あなたの家族にとって、本当に安心できる備えとは何でしょうか? この機会に、ぜひ一度じっくりと考えてみてください。
○次回配信について
次回のテーマは「蓄電池で良く聞く”特定負荷”と”全負荷”って何が違う?編」です。11/27(木)ごろの配信を予定しておりますので、お楽しみに!