家庭用蓄電池の導入を検討する際、専門的な用語に戸惑うことも多いかもしれません。特に、停電時の電力供給方法を指す「特定負荷」と「全負荷」の違いは、蓄電池選びにおいて非常に重要なポイントとなります。

今回は、「停電などの非常時に、蓄電池をどう活用したいか？」というポイントで、蓄電池の選び方を探っていきます。

太陽光発電システムに関する疑問にお答えする、

「太陽光お悩み相談室！」

太陽光発電システムの販売施工を手掛けるフソウリブテックの担当者が、皆さまからの疑問に「忖度なく本気で正直に」お答えします。

質問にお答えしていくのは、フソウリブテックで太陽光発電システムを担当するこちらのお二人。

右：宇野 克哉 さん（マテリアルソリューション部）

太陽光発電の営業として、住宅会社や一般のお客様へ最適なサービスを提案。「太陽光といえば宇野」と呼ばれる存在に。

左：成行 勇弥 さん（マテリアルソリューション部）

太陽光発電の申請業務を担当。入社2年目だが、細やかな対応に定評があり、存在感を放つ。

第11回目となる今回の質問は、

「蓄電池には特定負荷と全負荷があるって聞いたんですけど、どんな違いがありますか？どっちがおすすめですか？」

この疑問に、太陽光発電のプロが本音でぶつかります！

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そもそも「特定負荷」と「全負荷」には、どういった違いがあるのでしょうか？

宇野：特定負荷とは、停電が発生した際に、あらかじめ決めた一部のコンセントや照明だけを電力供給の対象とすることです。一方で全負荷は停電した時に家中どこでも電気が使える仕組みで、普段とほぼ変わらない感覚で生活できます。

特定負荷の場合は、「冷蔵庫のあるキッチン」「家族が集まるリビング」といった形で、事前に指定した回路のみ稼働します。場所を限定することで、貯めた電気の使用量を減らし長く使い続けられる点がメリット。

全負荷の場合は家全体で電気が使えるため、普段とほぼ変わらない感覚で電気が使用でき、安心感や利便性が格段に向上します。

では特定負荷と全負荷、どちらがおすすめなのでしょうか？

成行：おススメは全負荷です。災害時でも家中電気が使えるというのは、大きなストレス軽減につながります。

宇野：もちろん特定負荷が悪いわけではありません。しかしリスクがあります。例えば、キッチンとリビングだけ電気を使えるようにしたとします。でも地震でキッチンやリビングの家具が倒壊し、ガラスが散乱すれば、安心してその部屋で生活ができないですよね。蓄電池をつけているにもかかわらず、電気の通った部屋が使えないことが起こると、結果として意味がありません。

宇野：私としては、全負荷にして、臨機応変に対応できる方が良いと思っています。「この部屋は大丈夫そうだ。」など考えながら、どんな状況でも対応できるのが、全負荷のメリットです。

蓄電池を設置したとしても、いざという時に電気を使える環境でなければ無用の長物に。とはいえ災害時、家のどの部屋が安全で、どの部屋が危険になるかは誰にも予測できません。

「リビングは危険だが、2階の寝室は無事だ」「この部屋を新たな拠点にしよう」こういった臨機応変な対応を実現するためにも、全負荷という選択がマストになりそうです。

一方で全負荷には、一つだけ注意すべき重要なポイントがあります。

宇野：全負荷の注意点は、電気を使いすぎることです。どの部屋でも電気が使えてしまいますが、好き放題すると、貯めた電気をすぐに使い切ってしまいます。

全負荷は家中どこでも電気が使えてしまうため、停電中にもかかわらず普段通りに電気を無計画に消費すると、蓄電池の残量が想定より早く尽きてしまうリスクがあります。蓄電池の容量は有限です。停電時には「今、本当に必要な電力は何か？」を家族で常に意識し、照明や家電の使用を管理しながら使うことが必要です。

特定負荷と全負荷では、停電時に電気を使う場所の範囲が異なります。

価格や容量だけでなく、「停電時、家族の安全と生活をどこまで守りたいか」という目的を基準に考えることが、後悔しない蓄電池選びの鍵となります。

あなたの家族にとって、本当に安心できる備えとは何でしょうか？この機会に、ぜひ一度じっくりと考えてみてください。

○次回配信について

次回のテーマは「非常時、蓄電池は特別な操作が必要？編」です。12/4(木)ごろの配信を予定しておりますので、お楽しみに！

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