forkul logo

「みせる収納のつくり方。」

FORKUL/LIFE STYLE

2024.01.14

美しさと使いやすさを兼ね備えた収納を、「憧れ」で終わらせていませんか? ちょっとしたコツを押さえるだけで、実は誰でも実践できるんです。

「見せる/魅せる」収納のポイントは   収納用品のテイストを揃えるところから。

今年1月に完成した新居に友人を招いて過ごすことが多いMさん。「でも、友人がスマホを構えると『そっちは写らないように撮って!』って慌てがちで…もう少し生活感をなくしたいんですよね」。そんなお悩みを受け、家づくりの初期からじっくりヒアリングを重ねてMさんの好みを熟知したインテリアコーディネーターが、「映える」収納をアドバイスします。

「統一感を出したいなら、収納用品はテイストをなるべく絞って揃えましょう。今日はMさんのご趣味に合いそうなアイテムを見繕ってきました」とコーディネーターが用意したのは、シンプル&ナチュラルな収納雑貨や小物。「もうこの時点でアガりますね、どれも素敵!」と目を輝かせるMさん、適当な間に合わせではないお気に入りのアイテムを使うのも、みせる収納の大切なポイントです。

Mさんが一番改善したいのは、ダイニング併設のパントリーと造作の作業デスク。一見きれいに整頓されていますが、リーズナブルなプラスチックのかごや、とりあえず放り込んであるものも多いそう。来客の目にも入りやすいだけに、特に気になってしまうといいます。

一緒に現状を確認。「デスク周りにちょっとしたグリーンがあると雰囲気が変わりそう」とコーディネーター

造作デスクスペース〉BEFORE:奥様のパソコンスペースとして使っている造作のデスク。使いやすさを重視すると、なにかとごちゃつきがち…

〈造作デスクスペース〉AFTER:文房具やファイル類は隣のパントリーに移動し、見える空間を「見せる空間」に。アクセサリーや小物がアクセント

〈階段下スペース〉BEFORE:掃除道具を置くには小さすぎてシュレッダーとゴミ箱を置いていたものの、空間の無駄がちょっと気になります

〈階段下スペース〉AFTER:ご主人がリビングでよく使うものをキャスター付きのワゴンにまとめ、使う時はワゴンごと引いていくスタイルに

〈パントリー〉BEFORE:工夫を凝らして整頓していることが伝わるものの、奥様としては「見せたくない」要素も多いそう

〈パントリー〉AFTER:もともと使っていた統一感のある収納用品を活かしつつ、隠すだけでなくうまく「見せる」要素を取り入れた収納に

 

ごちゃつきがちな季節用品などは、大きなボックスにまとめて棚の上の方へ

 

階段を上がる時に見えるダイニングとパントリーの風景は奥様のお気に入り。収納を見直したことで、よりすっきりと美しい空間に

パントリーは「プラスチックは避けて、色味も抑えるといいですよ」というアドバイスの下、容れ物を見直すだけで、かなり印象が変わりました。中身が見えるバスケットなどは、なるべく可愛いものを手前に入れるのがコツ。どうしても見苦しいようなら、きれいな布などをかぶせて隠してしまいましょう。パントリーを整頓して空いたスペースに、作業デスクにあるものを移動させる「場所を変える」テクニックも有効。デスク周りは小物や絵画で華やかになりました。

今回の収納改善の重点となったダイニングは、友人たちと食卓を囲むことも多いスペースです。「すっかり見違えて、どこを見られても恥ずかしくない空間になりました」とMさん。Mさんご夫婦は転勤暮らしで、奥様の故郷である香川に「友人の集まる家を建てたい」と一念発起したのがこのおうちです。Mさんの友人が設計を、施工とコーディネートをフソウリブテックが手掛けました。

採用した太陽光パネルは、電気代がむしろ収入になるほどの性能を発揮。玄関脇の和室は客間を兼ね、「玄関~水回りと生活空間を独立した動線にしたい」というご要望を反映して来客が水場を使う時も生活空間に干渉しないつくりです。

「我が家の生活に合わせたら、お客さまにも快適な間取りになりました」と奥様。思い描いた通りの「友人の集まる暮らし」が実現しています。

吹き抜けが素敵なリビング。こだわりの柄を取り入れ職人さんにつくってもらったアイアンフェンスがお気に入りだそう

 

コの字型の真ん中に配置された木目調のタイルデッキテラスもポイント

 

光を取り入れる板の間とスタイリッシュな収納ですっきりとした和室